カレーライスと日本人

6章 後日談

明治10年、天皇と伊藤博文が一緒にカレーを食べたらしい。明治20年には抹茶のアイスクリームが登場した。この本の初版以降私の監修は増え、新たな発見が続いている。

ブータンに行ったら、唐辛子のチーズ煮込みエマダツィに出会った。これもカレーなのかもしれない。四川の山椒料理もそうなのかも。イラン、トルコ、エジプト、モロッコでも現地のスパイス料理に出会った。

その他だと、明治36年の日比谷公園開演と松本楼のビーフカレーの誕生、1949年のナイルレストランの開業、アジェンタ、メーヨウ、チャンタナ。2014年現在、本場インドカレーとはもはや食べ慣れた味になってしまったという感慨。タジン鍋も珍しいと思って華麗なる食卓に出したが、今や誰でも知ってるものになってしまった。

最近だと、南インドカレー、スリランカカレー、ネパールカレー、ミャンマーカレーが台頭している。南インドカレーはポルサンボラという、モルジブフィッシュとココナツのふりかけが特徴的。神保町には新世界菜館の中華カレーまである。

最後に参考文献として12冊を挙げた。

カレー大王などとメディアに呼ばれるようになり、この人生、カレーを食べてきたというよりも、カレーに食べさせてもらったという感じである。

(終)

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