隷属への道

14章 外部要因に対する脆弱さ

合理主義は人間の知性では理解しきれない自由競争の複雑さを嫌う。彼らは社会を理論で統制しようとするがそれは計画経済と隷属への道である。

集産主義へ社会全体で単一の目標を実現しようとするが、たとえばその目標が失業率ゼロだったとしよう。戦争などの外部要因により膨大な強制転職と再訓練が生じるが、その際に賃金が下がる層が生じる。この不満を解消するため、インフレ政策がとられる。インフレ政策は生産性の低下と経済の混乱を招き、失業率よりも大きな問題を引き起こす。

そうではなく、外部要因後も経済を維持するには、インフレではなく富の増大が、そして倹約と再投資が必要なのだ。

話題は変わり、道徳とは強制されるものではなく主体的に誰かのために自らの自由を放棄することを選択することだと言える。だから、自由競争が、個人に自由な決定とその決定に責任を持つことを可能にすることで、初めて道徳を育てることができる。

だから集産主義は個人の道徳の欠如を強制により穴埋めしてると言える。

イギリスの伝統的な自由主義の優れた点と、ファシズムの失敗に学んで賢くなったドイツ人とが手を取り合って、経済と道徳を再建すべきだ。

kitab
d.b