隷属への道

7章 職業選択の自由

計画経済はまず経済活動から自由を奪うが、実際にはそれ以外の全ての活動からも自由を奪う。

具体的な手順はこうだ。経済価値はそれを受け取る個人の嗜好により多様な価値に交換される。だから一見、経済を統制しても、交換先の価値は統制されないように思える。しかし計画経済下では、個人はその嗜好が経済と関係ないことを証明して委員会の承認を受けなければならない。

具体的な例を述べる。食物に対する嗜好は、食物を供給する側にも依存する。計画経済下ではこれは配給である。どのような食物が配給されるかは計画経済で決まり、経済を統制されているから、個人には好きなものを交換するための貨幣が無い。

この手段を使って、計画経済は全ての物資の分配方法を決められる。さらに、計画経済が追求に値しないと判定した価値は配給すらされない。

これは消費だけでなく職業選択の自由も奪う。個人の意思は反映されず、計画経済が最適配置を行う。大組織においてロールを選ぶ権利が無いのと同様である。

競争社会では、ほとんど全てのものが、バカ高い金を払えば手に入る。計画経済でなぜそうならないかと言うと、自動車事故を無くすために自動車を禁止するようなことを平気でするからだ。そうなればいくらお金を払っても自動車は手に入らない。

結局経済的自由が自由の必要条件である。それは、消費の自由と生産の自由を意味するからだ。

考察

日本の公園では、1人でも子供が死んだ遊具が禁止したり撤去されているが、まさに全体主義的世論と言えるであろう。

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d.b