隷属への道

9章 隷属による高給

計画経済による「最低給与保障」と「地位の保障」こそ、一見自由を保障するように見えて、自由を脅かすものだった。

経済に変動はつきものなので、自由競争下では給与は変動するし失業も産まれる。計画経済下ではそうした変動は起こらない。つまり、人の給与は人の有用性と一致しない。すると、有用性が低下した仕事に過剰な給与を払うことのしわ寄せが他の人々に行く。国家自体も浮き沈みがあるため、その帳尻合わせによってもしわ寄せが生じる。計画経済を行なっている国は実際に、どの人々を優遇するか毎年調整している。

すると、この保障を得るための競争が始まる。ある者は我先にと自ら自由を手放し始める。

それどころか、国民は自由をリスクと見なし軽蔑する価値観を持つようになる。国家のために固定の給与で働くことから自由になるということは、ルンペン生活を意味するようになる。

このような社会では失業者の人材プールは無い。働かなければ差押えではなく肉体的懲罰が待っている。

考察

日本に置き換えると公務員とか大企業vsフリーターとかベンチャー企業みたいな話なんだろうか?

kitab
d.b