本を読む本
15章 Lv4=シントピカル読書
シントピカル読書では、読者は決まったテーマを調べるために、複数の本を読む。例えば著者は「進歩」について調べるために、450冊の本を読んだりした。
シントピカル読書は以下の5つの手順からなる。
1. 関連箇所を洗い出す
全ての本から、自分の知りたいトピックに関連する箇所を洗い出す。
2. 用語を自分の用語に統一する
分析読書では著者の用語に従うことで折り合いをつけたが、シントピカル読書では複数冊を読むので、同じ方法では用語を統一できない。
そこで、読者は自分の用語法を発明し、本の用語を自分の用語で表現し直す。
いわば、著者に折り合いをつけさせるのである。
3. 答えやすい質問を立てる
読者が立てた質問に、複数の本が答えてくれるのが望ましいからである。
4. 複数の答えを比較しやすい論点を立てる
読者が立てた質問に、複数の本が異なる答えを返した時、それらを比較する論点が必要になる。
5. 複数の論考に対して、それが真実で意義深いかを評価する
分析読書の結論が「この本の意義は何か」であったのと同様、シントピカル読書の結論はそれぞれの本の真実性と意義を評価することである。