論破力

1章 論破の面白さ

2018年暮れに出た本。still hot!

【論破の面白さ】

皆、多かれ少なかれ、世界を変えたいという欲求があるでしょう。 人を論破したほうが説得しやすく、世界を変えやすい場面があります。だから論破力を持っておくに越したことはありません。

議論とはゲームであり、ルールとも呼べる人間心理の法則に基づいて、人の心をコントロールする遊びなのです。遊びであり、人に嫌われることを過剰に気にしなければ、倫理性を考えずになんでもできるのです。

議論を直接する人ではなくとも、観客にとっても議論はゲームです。討論番組から新結論が生まれることなど誰も期待していないのに、見てしまうでしょう。議論自体がエンタテインメントなのです。

社内会議でさえ、議論を一定のルールに従ってしたふりをして、全員で決めた感を演出するためのセレモニーでしかないと言えるでしょう。それも広義のゲームなのです。

議論のプロセスからも、相手のことを理解したり、副産物として知らなかった知識を得て、好奇心を満たせます。

【論破の基本2点】 ・意見ではなく事実を述べる(6章-8) ・第三者を置き、ジャッジとする

事実を淡々と述べて相手の自爆を待つこと。それがジャッジに刺さるようにすることが論破の基本です。 ジャッジも必須です。例えば子供同士が1+1が「2」か「3」でけんかしてるとします。この場合、相手が「3」だと思っていたら、いくら自分が「2」と言っても論破できません。お母さんに聞いて、「2」だというお墨付きを得て、初めて相手が納得するのです。ジャッジのいないところでする、1対1の議論にはなんの意味もありません。

これと全く同じことが、 ・社内議論と決裁者 ・役員会議 ・テレビの討論番組 ・ツイッター でも起こっているのです。

【ジャッジの心理コントロール】 ジャッジを以下の手段でコントロールすることで、論破しやすくなります。 ・弱者側に立つ。(2-2,2-3) ・被害者を装う。 ※例えば自分が知っていることをわざと知らないふりして質問し、相手をやなやつにする。勝間和代戦などが有名。 ・権威主義を使う。(3-10) ・勝ちパターンを覚えて条件反射で出せるようにし、頭の回転が速いことを装う ※実際には頭の回転が速い人は飛躍が多く、頭が悪そうに見える ・議論に負けそうなら、相手を怒らせるなどして場をわざと白熱させ、ジャッジによる次回持ち越し提案に持ち込む。

【相手の心理コントロール】 相手を以下の手段でコントロールすることで、自爆させ、論破しやすくなります。 ・感情的にさせる。 ・プライドの高い人間の足元を掬う。 ・相手が嫌がることを常に考える。 ・細かくて面倒くさいやつだと思わせる(2-15) ・一度間違えたら、何度でも蒸し返す。 ※相手が100%正しくても論破できる時がある。 相手を勝てない議論に追い込む ・チョコレートの話(2-6) ※これめっちゃやなやつなのでオススメ ・「はいかいいえで答えてください」 ※はいと断言してもいいえと断言してもやなやつになる質問に追い込む! ・はずみでウソをつかせる(4-1) ※例えば「絶対」などと断言させ例外でカウンターする(2-8)など。例;「絶対に人を殺してはいけない」 ・相手の人間のモデル化を行う ・勝ちパターンを覚えて条件反射で出せるようにし、思考時間を奪う ・虚を衝く ※「なぜ今過去形で言ったんですか?現在は違うんじゃないんですか?」はすげーやなやつw

【自分の心理コントロール】 自分をコントロールすることで、論破しやすくなります。 ・勝てないパターンの議論をしない。 ※主観、好き嫌い、文化的差異、答えのない問題など ・バイアスがかからないよう、感情移入もしない。(2-11) ・常にちゃぶ台返しを狙う。(1-11) ・知識をひけらかしたいなどの自己顕示欲を抑える。 ・論破した後まで考えて手を選ぶ。例えば偉い人の好き嫌いは説得せず、偉い人の言うとおりにして、失敗したら偉い人のせいにするなど。 ・国際情勢など、不確定要素の少ない題材を選ぶ。 ・「絶対」など、負けにつながる言葉を使わない。 ※ひろゆきの裁判経験の話などがある。 ・勝ちパターンを覚えて条件反射で出せるようにし、思考を節約する

【議論を起こさない】 そもそも議論にしない。1通りの選択肢しか与えない。(3-11)

【ケーススタディ】 ありそうなパターン8通り(略)

【論破力の鍛え方】 ・議論勝ちパターンはおぼえこむ ・人間をモデル化して理解する ・一見役に立たなくてもとにかく知識を増やす ・ほとんどのことに対して断言しない ※例えば「STAP細胞はありまぁす!」に対しては、存在しないことを証明しなければいけないのでそれは無理(悪魔の証明)とし、反論しない。 ・知ってるふりではなく、知らないふりをするようにする ・当事者意識のない問題のみ考えるようにする ・自己顕示欲を捨てる ・事実を常に持つ

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