読書について
§2 読書の害悪
頭脳には、思索向きの頭脳と、読書向きの頭脳がある。
読書は、いつでも誰にでも、紋切り型の思想を押し付ける。精神は圧迫され、弾力性を失う。彼らが本を書いたとしても、その著作はつまらない。彼らは、「永遠に読まれざるため、永遠の読書を続けている」。
思索は、自由な精神が、気分とその場の材料で、既成の思想を押し付けられずに行うものである。だから自分の思想を所有したくなければ、暇を見つけ次第、本を手にすることだ。
学者とは書物を読破した人、思想家とは世界という書物を直接読破した人のことである。