電子部品流通のイノベーターがつづる、グローバル時代の半導体産業論

1章 現代の半導体需要

2010年時点で半導体需要は年14%の成長率である。以下の産業が半導体需要を喚起している。

  • パソコン
  • テレビ
  • 携帯電話
  • 自動車
  • 医療
  • エネルギー
  • 通信
  • 産業機器

いずれも従来の産業であるが、グローバル市場が伸びか、イノベーションのどちらかの要因で半導体需要を喚起している。

各論:

PCは日本では普及率90%で頭打ちだが、グローバル視点では年5%成長である。テレビは中国の普及率がまだ低く、年5000万台を出荷している。新興国ではまだ普及には程遠い状況。

スマートフォンがグローバルでこれから主戦場となる(※iPhoneは2007年なのでこの本の4年前)。ガラケーはマイナス成長の死に体で、そもそも日本市場のグローバルに占める比率は2%であり考慮に値しない。

車は電気自動車化というイノベーションが半導体需要を喚起。高級車に搭載されるマイコンは1台あたり100台である。グローバル視点では、先進国、例えば米国でのタイヤ空気圧センサー義務化などが半導体需要を喚起。新興国の車にはあまり半導体は載っていない。

医療では新たな医療機器とネットワーク診療、ヘルスケア情報のスマートデバイスによるモニタリングが半導体需要を喚起。

エネルギー業界ではスマートグリッドが半導体需要を喚起。通信ではLTE(4G)が半導体需要を喚起。産業機器は電子化による効率化、例えばICタグが半導体需要を喚起。

【第2章 生産のグローバル化】

栄枯盛衰。1980年代世界のメーカーランキングで20位中10社も登場していた日本は、2010年にはランキング10位中3社のみ、さらに全日本メーカーの投資金額を合わせてもサムスン1社の投資金額にすら及ばない。

現在インテルとサムスンが半導体生産を支えている。営利率でも圧倒的に負けていて、インテルの営利率は20%越えだが日本は5%程度である。

従来設計/生産を垂直統合していた企業は廃れ、ファブレスとファウンダリーに分離分業した。

ファブレス企業は

  • メディアテック
  • TSMC
  • ブロードコム
  • クアルコム
  • NVIDIA

ファウンダリー企業は

  • グローバルファウンダリーズ
  • サムスン

ファブレス新興企業の粗利率は凄い。アナログ半導体とFPGA。どちらも設計が難しく、高給なエンジニアが必要となりエンジニア争奪戦になっている。ムーアの法則が限界に達し半導体はほぼ設計勝負になっていることがわかる。

  • リニアテクノロジー 77%
  • マキシムインテグレーテッドプロダクツ 60%
  • アルテラ 67%
  • ザイリンクス 63%
  • マイクロチップテクノロジーズ 25%

【第3章 流通のグローバル化】

製造と同様、流通においても既存産業が成り立たなくなった。

トレンドは電子機器産業の垂直統合型ビジネスから水平分業型ビジネスへの移行(フォックスコンなど)、インターネット、タイムトゥーマーケットである。

インターネットで半導体を販売する企業はグローバルランキングに食い込み、粗利益率も40〜50%と良好。

  • マウザーエレクトロニクス
  • プレミアファーネル
  • エレクトロコンポーネンツ
  • デジキー
  • アヴネット
  • アローエレクトロニクス
  • WPG

【第4章 顧客視点のグローバル化】

製造においては、特注品の需要は減り、汎用的なチップが求められている。ASICが廃れ、FPGAやDSPやASSAが求められている。

流通においては、少しぐらい高くても、小口購入をネットで出来ると便利なので、半導体のコンビニが求められている。生産完了品も含め、ロングテールにわたる全商品を扱うウェブサイトで、全部品を一括購入できると楽である。

それが チ ッ プ ワ ン ス ト ッ プ

(終)

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